2021
Jun
21
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ぬるい毒 本谷有希子 読書感想
ぬるい毒著者 本谷有希子あの夜、同級生と思しき見知らぬ男の電話を受けた時から、私の戦いは始まった。魅力の塊のような彼は、説得力漲る嘘をつき、愉しげに人の感情を弄ぶ。自意識をずたずたにされながらも、私はやがて彼と関係を持つ。恋愛に夢中なただの女だと誤解させ続けるために。最後の最後に、私が彼を欺くその日まで―。一人の女の子の、十九歳から五年にわたる奇妙な闘争の物語。渾身の異色作。本谷/有希子1979(昭和54)...