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人は思い出にのみ嫉妬する

人は思い出にのみ嫉妬する

著者 辻仁成

読書2


百万人に一人の「水アレルギー」を抱える女性・杉山栞。彼女は、恋人・戸田悠仁の心に不慮の交通事故で亡くなった周愛麗が生き続けていることに嫉妬する。「その人のいい思い出になることが出来れば、人は、永遠を生きることが出来る」と言い残して亡くなった元恋人の思い出と葛藤する栞。そして、彼女が最後に達した結論とは…。「愛の魔術師」辻仁成、珠玉の一冊。

辻/仁成
東京生まれ。1989年小説『ピアニシモ』ですばる文学賞、’97年『海峡の光』で芥川賞受賞。’99年『白仏』の仏翻訳語版『Le Bouddha blanc』で仏・フェミナ賞・外国小説賞を日本人として唯一受賞する。2009年ロックバンド「ZAMZA」のボーカリストとして全米デビューを果たす。ニューアルバム「月族」が2010年5月19日に発売。監督作品映画「ACACIA」が同6月12日より角川シネマ新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町他、全国順次ロードショー。フランス在住

新たな知識を求めてこの本と出逢う。

辻仁成氏と言えばどうしても『サヨナライツカ』が思い出されてしまう。

思い出と恋愛を上手く噛み合わせ、生涯このような恋愛が出来たら素敵な事だと思わせる作品だった、小説の中だけの話でもだが。

そんな、著者辻仁成氏の作品で思い出と嫉妬が題名に入った作品である『人は思い出にのみ嫉妬する』である。

本な物語を読んでいると、イキナリどきっとする言葉が舞い込んできた、『思いでは時に素晴らしいものだが、ときには大変に厄介なものとなる。

逆に、思い出があるからこそ、私たちは人間なのだ、と自覚することができる。思い出こそが、人間の価値を定める基準になっている、ように思えてならない。

私が誰かと言うことよりも、私の中にある思い出こそが、私を像っていると言う方が正しい時もある。』という文章を見たとき、なんと哲学的なことを書かれるのだと思った。

著者辻仁成氏は思い出と言う人間的感情を追求しているのかもしれない。

さらにはこのような文章も心打たれる。

『人を好きになるのは、その人の思い出になりたいからよ。自分の魂を相手の心の中に預けると言う事は、つまり、率先して、思い出になる、ということでしょう。その人の良い思い出になることができれば、人は、永遠を生きることができる。たとえ早く死んだとしても。』

本当に心に残る言葉辻仁成氏は残してくれる。

確かに思い出に勝る美はない。

『人は人に嫉妬するのではない。思い出にのみ嫉妬する動物なのだ。』

思い出と向き合ったらこのような哲学にぶつかることができるの
であろうか?

そう思えてならないような文章である。

辻仁成氏は人間の何を見ているのであろうか?

そう思えてならない物語の小説である。

思い出から逃れるために中国に行き、そして中国と言う土地で新たな男と出会い現実から逃れる。

ただ、逃げたからといって現実から逃れることができないと言う真実に突き当たる。

思いではどこに行ってもつきまとうものであるし、思い出から逃れることはできない、だからこそ良い思い出を作らなければならないし、良い思い出と出会わなければならない。

著者の辻仁成氏はまるで思い出と言う哲学を語ってるようだ。

そう、1つの物語と、思い出と言う哲学をリンクさせていい思い出を作って欲しいと投げかけているように感じてしまう。

この本を読むことによって心が前向きになり良い思い出を作ろうと読むことができるのであれば、この本はこのように必要な本となるであろう。

そして、他人に進めることのできる本と言うことになるであろう。

思い出に苦しんでいる人や、良い思い出を作りたいと思ってる人にお勧めの本だと認識。

あなたにはどんな1行が届き、どんな言葉が残りましたか?


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