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読書と足跡 ~読書時間~

「読書の時間」です。「読書の感想」ですがあくまでも個人的な「読書感想文」です。

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望郷

望郷
著者 湊かなえ









日本推理作家協会賞受賞! 心に刺さる連作短編集
島に生まれ育った私たちが抱える故郷への愛と憎しみ…屈折した心が生む六つの事件。推協賞短編部門受賞作「海の星」ほか傑作全六編。
今私は、バスに乗っている。
バスの中から、読書しながら景色を時折眺めている。
生活感あふれる光景を見ながら私は世の中を実感する。
今年は暖冬と言われているが寒い。
寒いものは寒い。
年配者が寒そうにきこんでいる。
年配者の経験は侮れない。
その経験を尊重して、私もたくさん着込んでいる。
バスの中はポカポカとした温度で睡魔に襲われながら、湊かなえ先生の物語に入っていく。
最初の話はみかんの花。
島を捨てた姉と、島に残った妹。
妹の知っていることは真実なのか?
真実とは何か?
自分の知っていることだけが真実ではないと、教えてくれる、いや思い出させてくれた話、ストーリーである。
世の中、自分が知っていることが全てだと思っている人は多い。
人1人が知っていることなんて、たかが知れている。たいしたことないことばかりである。
だから、向上心を持って学ばなければいけない。
そう、教えてくれる話。
人間は弱い生き物だから、ついつい自分中心に考えて守りに入ってしまう。
人間は小さい生き物だし、学ぶ生き物だ。
どれだけ学ぶ力を持って生きていけるかで、蓄えられた知識は変わるのではないかと思う。
というか、そう信じている私。
次の話は海の星である。
小さい頃に抱いたイメージとかけ離れていることは多くの人が経験していることだろう。
特に話すことが苦手な大の男なら・・・。
会話とは難しいもんで、すれ違いがたくさん生じる。
こちらの思いと、あちらの思いは違うのである。
理解して欲しいと、自分勝手な思いを抱いている人は沢山いる。
そんな人達に思いは簡単には伝わらないよって教えてくれる物語が、ここにある。
海の星、湊かなえ先生の小説は人生の教科書にもできると実感する私。
そんな思い描きながら、バスの中はコトコトと揺れていて、ポカポカとした陽射しが舞い込んでくる。
のんびりとした平和な時間の中、私は読書という時間を頂いている。
次は夢の国という世界に連れて行かれた。
島のそれなりの家に生まれたが自由がない生活。
いつの時代なの?
いつの時代でこの家は時計が止まったの?
そんな話である。
現実に時代が止まってしまった人達は多い。
時計を止めてしまい、今という時間を過ごすことができない。
そして、昔は良かった、昔は良かったの繰り返し。
私はそんな人生は送りたくない。
今という時間を生きたいと改めて感じさせてもらった物語。
常に時代を感じ、常に時代と共に生きたい。
だって、時代と共に生活しているから。
だからスマホは手放せない。
だって、スマホなき人生は今の時代、適してない。
スマホがなくてもいきていけると、言われる人もいるけど、それはスマホを使いこなせてないだけ。
スマホを使いこなせればもっと便利な生活が待っている。
食わず嫌いせずチャレンジしよう、そうここに秘め私はバスに揺れてながら、この文字を刻んでいる。
夫婦の幸せそうな会話が横から聞こえながら。
コトコトと揺れるバスが私を眠りに導いている?
次は雲の糸という世界である。
小さな島出身の人間のストーリーには変わりないが、今回は母親が犯罪者という物語。
当然いじめにあう。
その為、島から出て見返すと男の凱旋に纏わる話。
この話も湊かなえ先生の本質はどこにあるの?
ということを考えさせられる物語になっている。
何故、母親が犯罪者になったのか?
本当の意味はどこにあるのか?
深く考えさせられる。
読んでいて、胸が痛くなることがあるが、それは物語にドップリ浸かっているからだと思う。
母親の息子に対する愛。
じ~んと感じながら、私はまだバスに揺れている。
見える景色は住宅街。
幸せそうな家族が遊んでいる。
小さな子供が走り回り、父親と思われる男性が笑顔で追いかけている。
日本って平和だなぁと思いつつ、ぼんやり景色を眺める私。
陽射しが暖かく、バスの車内があったかくなってきた。
いや、むしろ暑いかも。
学校でのいじめ、いつの時代もなくならないことである。
最近では暴力ではなく、言葉による暴力が増えているらしい。
言葉がナイフとなる。
さりげない会話かもしれない、人によっては、だけど人によっては傷つく言葉かも知れない。
言葉とは難しいものである。
そんな思いにさせてくれたこの小説に感謝しながら私はバスにコトコト揺れている。
1人、また1人バスを降車していく。
バスの中の満員度は解消されたようだ。
何故、日本はこんなに人を詰め込むの?
先進国なのに、悲しい現実。
日本は日本人が思ってるほど豊かではない。
そんな思いにさせられる、バスの中では。
最後の話、光の航路。
これはいじめに対する考え方や、対応策を問題提起してくれる話である。
進水式では誰もが拍手で見送られるが、大海に出たら誰もが拍手をする事はない。
人間も生まれてきたときは祝福されるが、外の世界に放り出されたら1人で生きていかないといけない。
そんな時でも、捨てる神あれば拾う神あり。
皆が皆、敵対するものではないし、皆が皆、味方してくれるものでもない。
だからと言って、皆が皆、見て見ぬふりをするわけでもない。
自分を信じて、自分に自信を持って生きていく。
争いのない世の中に、他人を尊重できる世の中になってくれれば日本という国はもっともっと笑顔の絶えない国になるのではないかと思いつつ、バスに揺れている。
バスがあるから移動が安価に効率よくできるのである為、バスに感謝をしなければいけない。
バスに感謝、小説に感謝。
あなたは今日は何に感謝しましたか?





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